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第8章 嘘・・・   Vol.11

2007.06.27 21:05|いつか見た あの場所で

夜の闇は濃い。
真っ暗にはならない蒼空界でも、目を凝らさなければ動いている物は見えないだろう。

燻っていた焚き火の火が消えた時、それを合図にするかのごとく、一つの影が動き出した。


立ち上がると同時に枕にしていた荷物と、下にひいていたマントを抱える。

かちゃ・・・

思いがけず鳴った音に、内心疑問を抱きつつ、音の鳴った方を見る。

・・・石・・・?

そこには、いつも相馬が持っている巾着の袋が見えた。
じっと目を凝らすと、石が一つ、袋の口から顔を覗かせている。
今の衝撃で、飛び出たようだ。

・・・なんで俺んとこに、置いてあるんだ・・・?

取りあえず、しまいこもうと指を伸ばして石に触れる。


・・・・・・・・・・・私も、連れて行け

突然頭に響いた声に、少し驚いて辺りを見回す。

誰もいない・・・

寝ている二人を見ても、身じろぎ一つしていない。
視線を、石に落とす。

かすかに、石が赤く光る。
まるで、私だよ・・・といわんばかりに。

ふと考え込む。

隣で眠る相馬の顔を、じっと見た。
月明かりで目が慣れてきたのか、かすかに表情が見て取れる。



・・・・・・連れて行け・・・・

追い立てるようなその言葉に、石をそっと拾い上げると、その影は足音を立てないように歩き出した。

馬の手綱を引き、ゆっくりと歩き出す。
近くから馬に乗れば、きっと起こしてしまうから。

「じゃぁね。」

一言だけ呟くと、その影は後ろも振り返らずに、その場を立ち去った。



***********************************************

少し離れてから馬に乗り、駈け出す。
手綱を片手で持ち、荷物を片手で抱えて。
夜目がきくとはいえ、鞍まではもってこれなかった。

マントを幾重かに折って、馬の背にひいただけ。
荷物をくくる場所もない。

直に伝わる振動に少し眉をひそめながら、走る。
しばらくして、水辺に出た。

一息つこうと馬からおり、伸びをする。
大分、目がなれてきた。
ポケットから石を取り出す。

「で、なんでついて来たんだ?」
石を、目線の高さにつまんで持ち上げる。
石は声に呼応するかのように、赤く光った。

「俺、相馬に嫌われそうだな。伽耶さんの形見をつれてきちゃったんだから。」
石の光に照らされる、遠野の苦笑い。

石の放つ光がどんどん大きくなって、やがて人の形を取り始める。
それを見ながら、遠野は地面に石を置くと後ろに下がった。

「俺についてきたって事は・・・・、凪、なんだろうな。」
遠野の言葉を受けるように、光は凪の形をとっていく。

・・・・・鋭いねぇ、ふふ、さすが私の子孫?

長い髪を腰の辺りで一つにゆったりと結び、神官のような狩衣を着た男性の姿。
遠野は腰に手を当てて、ふぅと笑う。

「で、何でついてきたの?というかさぁ、ついてきちゃっていいの?お前、相馬や伊織を守んなくていいのかよ。」

遠野の言葉に、凪はおかしそうに笑う。

・・・・遠野、お前もだろう?なぜ、2人に黙って王都へ急ぐ?
遠野は、相変わらず表情を変えない。

「あんたに言わなきゃいけないことかい?」

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kazu osino

Author:kazu osino
名前  kazu osino
生息地 関東のとある家。
英語の苦手な、ちゃっかり主婦。
ブログ内記事、文章は無断転載
転用禁止にさせていただきます。
する方、いないと思いますが。
よろしくお願いいたします。

…プロフの画像を載せる事によって、
お金が入ってきたらいいなとか
お、思ってないんだからっ(笑

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